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【2026年最新】バッグ・鞄メーカーにおけるM&A・事業承継の背景・現状・事例を徹底解説

2026 6/26
アパレル業界のM&A
2026年6月26日
バッグ・鞄メーカーのM&A・事業承継 アイキャッチ画像

バッグ・鞄メーカーとは、ハンドバッグ、ビジネスバッグ、旅行鞄(スーツケース)、リュックサック、財布などの革小物を企画・製造する事業者を指します。国内の鞄・袋物市場は2024年度に約1兆9,855億円規模へ拡大する一方、製造現場では職人の高齢化と後継者不在が同時に進行しています。本記事は、自社の譲渡や事業承継を検討するバッグ・鞄メーカーのオーナー経営者に向けて、業界の現状、M&Aが増加している背景、相場・バリュエーション、具体的な事例、成功のポイントまでを徹底解説します。「黒字経営なのに継ぐ人がいない」「長年守ってきたブランドと職人の技術を次世代に残したい」とお考えの経営者にとって、M&Aは廃業を回避し企業価値を最大化する有力な選択肢です。

目次

バッグ・鞄メーカー業界の現状と市場動向

バッグ・鞄メーカー業界は、インバウンド需要と「メイドインジャパン」志向を追い風に市場全体が拡大基調にある一方、国内製造の担い手は減少を続けています。市場は伸びても作り手が減るという構造のねじれが、業界の最大の特徴です。

矢野経済研究所の調査によると、国内の鞄・袋物市場規模は2023年度に前年度比25.0%増の1兆6,911億円となり、2024年度はさらに前年度比17.4%増の約1兆9,855億円に達する見込みです。2年連続のプラス成長で、なかでも旅行鞄の小売市場は2023年度に前年度比52.5%増の2,120億円と急回復しました。訪日外国人観光客の増加により高品質な日本製バッグへの需要が高まり、一部メーカーでは生産拠点を海外から国内へ戻す動きも出ています。

主要プレイヤーとしては、「PORTER(ポーター)」ブランドを展開する吉田や、ランドセル・革製品で知られる土屋鞄製造所など、職人技術を核とした創業メーカーが存在感を示しています。同時に、D2C(消費者直販。メーカーが自社ECなどで直接消費者に販売する形態)ブランドやEC専業ブランドが台頭し、SNSを起点とした新たなブランド構築が活発化しています。

消費者の購買行動も大きく変化しています。実店舗中心の販売からEC・モバイル経由の購入へとシフトが進み、ブランド公式オンラインストアやモール型ECの比率が高まっています。加えて、環境配慮への意識の高まりから、リサイクルレザーや再生素材を用いたサステナブルなものづくり、長く使うための修理対応、中古・リユース市場の拡大も無視できないトレンドです。こうした変化に自社単独で対応しきれず、外部の資本やノウハウを求めてM&Aを検討する中小メーカーが増えています。

一方で、業界が抱える構造的課題は深刻です。第一に、バッグは単価が高い商品ほど職人の手作業に依存しますが、その職人の高齢化と後継者難が進み、技術の断絶が懸念されています。第二に、アジア製を中心とする安価な輸入品へ消費者の嗜好がシフトし、中小の国内メーカーの価格競争は厳しさを増しています。第三に、本革などの原材料価格や物流コストの高騰、季節やトレンドによる需要変動に伴う在庫リスクが経営を圧迫しています。こうした課題は、バッグを含む服飾雑貨ブランド業界のM&A・事業承継とも共通しています。

バッグ・鞄メーカーでM&A・事業承継が増加している背景

バッグ・鞄メーカーでM&Aが増加している最大の要因は、経営者の高齢化と後継者不在です。事業を「たたむ」のではなく「譲る」ことで、ブランドと雇用を守る経営者が増えています。

経営者の高齢化と後継者不足

中小企業庁の試算では、2025年までに70歳以上となる中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人に達し、そのうち約127万社が後継者未定とされています。後継者不在のまま廃業が進めば、全国で約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性が指摘されています。バッグ・鞄メーカーは家族経営や職人工房型の中小企業が多く、この「2025年問題」の影響を強く受ける業種です。

競争環境の変化とDX・規模拡大のニーズ

EC化の加速、D2Cブランドの登場、消費行動のデジタルシフトにより、自社単独での生き残りは難しくなっています。M&Aによって資本力のある企業の傘下に入れば、ECプラットフォームやデジタルマーケティング、海外販路、原材料調達網を共有でき、単独では実現が難しい成長が可能になります。買い手にとっても、確立されたブランドや熟練職人、製造ノウハウを取得できるM&Aは有効な成長戦略です。

サプライチェーン強化と異業種からの参入

原材料の調達難や物流コストの上昇を背景に、安定したサプライチェーンを確保するために川上・川下の企業を取り込むM&Aも増えています。また、雑貨・アパレル・小売・投資ファンドなど異業種からバッグ・鞄分野へ参入する動きもあり、買い手の裾野は広がっています。売り手にとっては、自社の技術やブランドを高く評価してくれる相手と出会いやすい環境が整いつつあります。

売り手(譲渡オーナー)にとってのメリット

譲渡を選ぶ売り手側のメリットは明確です。第一に、従業員と職人の雇用が維持され、培ってきた技術が次世代へ継承されます。第二に、長年守ってきたブランドが存続します。第三に、経営者個人が負っている金融機関への連帯保証(個人保証)から解放されます。第四に、株式譲渡により創業者利益(譲渡対価)を得て、引退後の生活資金や次の挑戦の原資を確保できます。アクセサリー作家ブランドの譲渡事例のように、小規模でも独自性の高いブランドが評価されるケースは多くあります。

バッグ・鞄メーカーのM&Aにおける相場・バリュエーション

バッグ・鞄メーカーのM&A価格は、「時価純資産+営業利益の2〜5年分」を基準とする年倍法(年買法)で算定するのが一般的です。これにブランド価値などの無形資産が上乗せされます。

中小企業のM&Aでは、貸借対照表上の純資産を時価に評価し直した「時価純資産」に、のれん代として営業利益の2〜5年分を加算する手法が広く使われます。たとえば時価純資産1億円、営業利益3,000万円の企業であれば、のれんを3年分とした場合に1億円+9,000万円=1億9,000万円が一つの目安となります。算定アプローチには、資産を基準とするコストアプローチ、将来収益を基準とするインカムアプローチ(DCF法)、類似企業の取引事例を参照するマーケットアプローチがあり、近年は買い手がマーケットアプローチを併用する傾向が強まっています。

バッグ・鞄メーカー特有の評価ポイントは、(1)ブランドの認知度と商標などの知的財産、(2)熟練職人・パタンナーの技術力と定着率、(3)自社EC・D2Cの売上比率と顧客リスト、(4)安定したOEM・卸の取引先基盤、(5)本革など在庫の質と評価額、(6)金型・木型・専用設備といった製造資産です。特に自社EC比率が高く、ブランドのファン層を抱える企業は高い評価を得やすい傾向にあります。

譲渡のスキームは、会社全体を引き継ぐ「株式譲渡」と、特定の事業やブランドのみを切り出す「事業譲渡」に大別されます。株式譲渡は手続きが比較的シンプルで、従業員や取引契約をそのまま引き継げる一方、事業譲渡は不要な資産・負債を残して必要な部分だけを譲渡できる柔軟性があります。どちらが有利かは負債の状況や残したい事業の範囲によって異なるため、専門家と相談しながら選択することが重要です。

バッグ・鞄メーカー業界のM&A事例

バッグ・鞄業界では、後継者対策や成長加速を目的としたM&Aが実際に成果を上げています。以下、公開情報に基づく代表的な事例を紹介します。

事例1:バッグ・スーツケース卸売会社の子会社化

バッグやスーツケースを手がける卸売会社ロジェールジャパンは、グループ傘下に入った後、当時約20億円だった売上が約40億円規模へと倍増しました。資本提携によって仕入れ・販売網が強化され、単独経営では難しかった成長を実現した好例です。

事例2:帆布バッグブランドの事業承継

「日乃本帆布」ブランドのバッグ・小物を企画製造する三香堂は、2019年にグループ会社化されました。承継後は売上が前年同期比2倍のペースで拡大し、伝統的な帆布ブランドが新たな資本のもとで成長軌道に乗りました。職人技術とブランドを残しながら事業を伸ばした、事業承継型M&Aの典型例です。

事例3:アパレル業界全体の再編の動き

服飾・アパレル全体でも再編は活発です。2024年にはオンワードホールディングスがWEGOを子会社化し、アダストリアがGate Winを吸収合併、東京ソワールがキャナルジーンを子会社化するなど、大手による買収が相次ぎました。バッグ・鞄メーカーにとっても、こうしたアパレル大手や異業種が買い手となる可能性は十分にあります。輸入・販売領域の動向は高級鞄輸入販売会社のスポンサー支援事例も参考になります。

個別の譲渡企業名を伴わない一般的なパターンとしては、後継者不在の老舗鞄メーカーが同業大手の傘下で職人とブランドを存続させるケース、職人工房がD2Cブランド企業に承継され販路を拡大するケースが典型的です。

バッグ・鞄メーカーのM&Aを成功させるためのポイント

バッグ・鞄メーカーのM&Aを成功させる鍵は、デューデリジェンス(買収監査)で評価される項目を事前に整え、自社の強みを「見える化」しておくことです。準備の質が、最終的な譲渡価格と成約のしやすさを左右します。

デューデリジェンスで確認される重点項目と売り手の準備

デューデリジェンスで重点的に確認されるのは、財務面では在庫評価の妥当性と簿外債務の有無、法務面では商標・ライセンス契約や知的財産の権利関係、労務面では職人を含む従業員の雇用条件と技術の属人化状況、取引面では主要取引先との契約の継続性です。売り手が準備すべきこととしては、過去3〜5期分の決算書の整理、製造工程やデザインの標準化による属人化の解消、ブランドストーリーや顧客データの文書化が挙げられます。これらは服飾雑貨ブランド業界の事業承継でも共通する準備事項です。

さらに、譲渡後の引き継ぎを見据え、デザイナーや職人が持つ暗黙知をマニュアルや動画で記録しておくこと、主要取引先との関係を経営者個人から会社へ移しておくことも有効です。こうした準備は買い手の不安を減らし、結果として高い評価額と円滑な統合につながります。

従業員・取引先への配慮と情報管理の徹底

また、M&Aの検討段階では情報管理を徹底し、従業員・職人・取引先への影響に配慮することが重要です。情報が早期に漏れると、職人の離職や取引先の不安を招き、企業価値を毀損しかねません。信頼できるM&A仲介会社と秘密保持契約(NDA)を結び、適切なタイミングで段階的に開示を進めることが、円滑な承継につながります。

バッグ・鞄メーカーのM&A・事業承継ならアパレル業界M&A総合センターへ

アパレル業界M&A総合センターは、アパレル・ファッション業界に特化したM&A仲介サービスです。バッグ・鞄メーカー特有のブランド価値、職人技術、在庫、OEM取引といった評価ポイントを熟知した専門アドバイザーが、譲渡のご検討から成約まで一貫して支援します。

当センターは譲渡企業(売り手)様の仲介手数料を完全無料としており、秘密保持を徹底したうえで安心してご相談いただけます。「自社がいくらで売れるのか知りたい」「後継者がいないが従業員と職人は守りたい」といった初期段階のご相談も歓迎します。無料相談はお電話(03-4560-0084)にて承っております。

よくある質問(FAQ)

Q1. M&Aの相談や仲介に費用はかかりますか?

アパレル業界M&A総合センターでは、譲渡企業(売り手)様の仲介手数料を無料としています。初期相談から企業価値の試算まで、費用のご負担なくご利用いただけます。

Q2. 譲渡完了までどのくらいの期間がかかりますか?

企業規模や条件によって異なりますが、一般的には相手探しから成約まで6か月〜1年程度が目安です。準備が整っている場合は、より短期間での成約も可能です。

Q3. 取引先や従業員に知られずに進められますか?

可能です。秘密保持契約(NDA)を締結し、情報開示は段階的かつ必要最小限の関係者に限定して進めます。従業員・取引先への公表は、成約後の適切なタイミングで行います。

Q4. 職人や従業員の雇用は守られますか?

事業承継型M&Aでは、雇用と技術の継続を前提に買い手を選定するのが原則です。雇用維持を譲渡条件に盛り込むことも一般的です。

Q5. 赤字でも売却できますか?

可能です。ブランド力、熟練職人の技術、顧客基盤、自社ECといった無形資産が評価されれば、足元の業績が振るわなくても買い手が見つかるケースは多くあります。

Q6. 何から始めればよいですか?

まずは無料相談で、自社のおおよその評価額や譲渡の選択肢を把握することをおすすめします。直近の決算書をご用意いただければ、より具体的な企業価値の試算が可能です。検討の初期段階でも、いただいた情報は厳重に管理いたします。

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この記事を書いた人

株式会社M&A Do 代表取締役 濱田 啓揮のアバター 株式会社M&A Do 代表取締役 濱田 啓揮

株式会社M&A Do代表取締役。大手M&A仲介会社での実務経験をもとに、事業承継・会社譲渡を検討する中小企業オーナーに向けて、秘密保持、候補先探索、条件交渉、PMIを見据えたM&A支援を行っています。

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